つぼいひろきの住友グループ探訪
住友倉庫
ポートアイランドL-6 新倉庫

住友倉庫の神戸市中央区新港町にあった旧倉庫が、市の再開発計画に伴い100年近い歴史を閉じた。
その代わりにポートアイランドに誕生したのが、自然災害にも負けない最強の新倉庫である。

阪神高速や神戸空港に近いポートアイランドで船舶から貨物の積み降ろしを行うライナーバース。岸壁と上屋、荷捌場、倉庫が一体で運用できるようになっており、住友倉庫グループの一大拠点となっている。

延床面積4万9892m2、地上4階建ての新倉庫。人工島のポートアイランドにあり、従来の工法と比較して、より耐震性と耐久性に優れた工法を採用している。

リーチスタッカーは45tのコンテナをひとつかみ! かっこいー! リーチスタッカーは45tのコンテナをひとつかみ! かっこいー!

港に立ち並ぶ大きな倉庫。貨物が世界中を巡る国際物流において、日本では輸出入される貨物の99%以上が港を経由している。倉庫は貨物の輸出入の結節点としてとても重要な役割を担っているという。住友倉庫の国際物流の一大拠点、神戸市のポートアイランドに2021年に建てられた新倉庫を訪ねた。

そもそも住友倉庫の国際輸送業務の歴史は古く、1959年に米国企業と業務提携したことから始まっている。1972年には米国のサンフランシスコに駐在員事務所を開設し、本格的に海外進出を果たした。その後、海外ネットワークを広げてきた結果、今では欧州や東南アジア、中国、中東などの世界の主要な国や地域にある現地法人21社(2022年12月末現在)が多くの拠点や倉庫を運営しているんだそうだ。

国際物流における住友倉庫の強みは何といっても、その長い歴史に裏打ちされた豊富な経験だ。世界各国の物流に関する法制度を熟知し、お客様の多様なニーズに沿った国際輸送を手配している。「いわば、貨物版旅行代理店ですね」と神戸支店中央営業所所長の西村啓太さん。具体的な業務の流れを、輸入貨物を例にして教えてもらった。

まず港に到着したコンテナ船から保税地域であるコンテナヤードに貨物が降ろされる。通関には関税法のほかにも食品衛生法や植物防疫法など様々な法律に従い手続きを進める必要があり、通関士は必要な書類をそろえて税関へ輸入申告と納税申告を行う。税関や検疫所が貨物の検査を行う場合は、該当する検体をコンテナから出すために、通関前の貨物を税関から許可された倉庫に入れるケースもあるそうだ。

「通関後の貨物の多くは国内在庫として倉庫でお預かりし、お客様のオーダーに応じて納品先まで配送します。貨物を倉庫で保管するだけでなく、こうした前後の関連業務も当社でアレンジしています。貨物を少しでも早く引き取りたい場合、海外から輸出された貨物が日本に届く前に通関に必要な書類を入手し、事前に通関審査を済ませるなど柔軟に対応しています」(西村さん)。例えば衣類だと、金曜日の夜に中国を出港する船に積んだ場合、翌週月曜日の午前中に日本の港に到着後すぐに通関手続きが完了、その日中に倉庫で衣類を仕分けて発送したら、水曜日には商品として店舗に並べられるんだそうだ。驚いた!

外国から日本に輸入される輸入貨物の流れの一例

コンテナ船、指定保税地域へ搬入・通関(保税蔵置場)、コンテナ輸送、倉庫で保管・梱包、国内配送 コンテナ船、指定保税地域へ搬入・通関(保税蔵置場)、コンテナ輸送、倉庫で保管・梱包、国内配送

さて、新倉庫を案内してもらった。「1926年に建設された旧倉庫は、戦災や阪神・淡路大震災などの自然災害を乗り越えて約95年間活躍しました。新倉庫もこの先100年間お客様のお役に立てるよう、地震や大型台風などの自然災害にも耐えられる設計となっています」と西村さんは説明する。従来の工法と比較して、より耐震性と耐久性に優れた工法を採用したほか、高潮などによる浸水被害を避けるため、非常用自家発電設備は2階に設置しているんだとか。さらに防潮板も備えて万全だ。そして、新倉庫のキャパシティーは旧倉庫の約1.7倍。神戸の港湾地区でも最大級なんだ。特徴的なのは建物の開口部が少なく、1階中央に車両通路が通っていること。屋内で貨物の積み降ろしができるため、天候に左右されることなく、計画通りに作業が可能だ。

2階には定温庫といって、お客様の要望に応じて倉庫内を一定の温度に保つ倉庫があった。室温調整ができる倉庫は最近ニーズが増えているという。定温庫には大量の大豆などの食品原料が保管されていた。同じ食品でも香りが移らないよう区画を分ける工夫がされているそうだ。

続けて3階には、寝具などの生活用品が保管されていた。ここでは配送センターとして商品を検品し、配送を行っている。さらに4階は、小さな機械部品や食品添加物が並んでいた。1~2個という細かい単位の発送にも対応しているという。倉庫は、通関、保管、配送など多くの役割を担う重要な施設なんだな。

2階には、袋詰めされた大豆などの食品原料が整然と積まれ保管されている。袋や箱のように形が様々な貨物を規則正しく積み上げることを “はい付け”といい、職人的な技術が必要だという。
3階では、工場や量販店に加えて、消費者に商品を直接発送する作業も行われている。

最後に、国際物流に携わっていることを実感するのはどういうときか、西村さんに尋ねてみた。「同じ住友グループでは、住友金属鉱山が神戸で輸入するEV用電池の原料を当社でお預かりし、同社工場へ配送しています。その後、同社の工場で加工されたEV用電池の材料は、再び当社を経由して海外の電池メーカー向けに輸出されます。そのEV用電池を搭載した電気自動車が走っている姿を見かけると、海外が身近に感じられて面白いですね」と話してくれた。世界がつながっていることをつくづく実感したよ。

海を行き来して出来上がっていく製品

海外からEV用電池の原料を住友金属鉱山で輸入、住友倉庫で保管(輸入手続き)、住友金属鉱山で電池材料として加工、住友倉庫で保管(輸出手続き)、海外へ輸出、海外で電池に加工、車部品の一部として加工、車両が完成! 倉庫は国際物流の要なんです! 海外からEV用電池の原料を住友金属鉱山で輸入、住友倉庫で保管(輸入手続き)、住友金属鉱山で電池材料として加工、住友倉庫で保管(輸出手続き)、海外へ輸出、海外で電池に加工、車部品の一部として加工、車両が完成! 倉庫は国際物流の要なんです!

ほっかほかの国際物流サービス

やっぱり国際輸送は通関や検査などがあって時間かかりますよね〜 ホットデリバリーサービスを使うとスピーディーですよ! やっぱり国際輸送は通関や検査などがあって時間かかりますよね〜 ホットデリバリーサービスを使うとスピーディーですよ!
例えば中国製の衣類は税番もはっきりしていて食品のように農薬チェックもないので事前に輸入申告することで…… カチャカチャ 例えば中国製の衣類は税番もはっきりしていて食品のように農薬チェックもないので事前に輸入申告することで…… カチャカチャ
金曜日に上海を出港した商品が、水曜日にはもう店舗に並んでいることも! 金曜日 上海 月曜日 倉庫 水曜日 店舗 金曜日に上海を出港した商品が、水曜日にはもう店舗に並んでいることも! 金曜日 上海 月曜日 倉庫 水曜日 店舗
ほんとだ〜! ホカホカしてる〜! んなわけあるかい! ありがとうございましたー! ほんとだ〜! ホカホカしてる〜! んなわけあるかい! ありがとうございましたー!

編集スタッフの取材後記

今回訪れた神戸港は、世界でも有数の国際貿易港として知られています。1926年に住友倉庫の旧倉庫が建設された頃、陸上の貨物輸送手段として鉄道輸送は現在よりも多く利用されていました。旧倉庫では貨物線を引き込み、貨車を倉庫内プラットホームに停車させ、直接貨物の積み下ろしができるように設計がされていたそうです。神戸の街を散策してみると、貨車が通るための廃線跡などがところどころに残っており、歴史の面影を感じることができます。
(写真提供:住友倉庫)

旧倉庫の全景
旧倉庫事務所棟(2021年)
建物が線路に沿って建設されていたのでカーブしている

マンガルポ「住友グループ探訪」 ナンバー

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