住友グループ広報委員会は「全国盲学校弁論大会」を応援しています。この大会は、昭和3年(1928年)に毎日新聞社点字毎日の主催で開催されて以来、歴史を刻み続けた伝統ある大会です。「自分の心を自分の言葉で伝えていく」本大会の主旨は私たちのグループ・メッセージである「大切なこと 人から人へ」の精神にまさに重なるものであることから、平成15年(2003年)から特別協賛しています。
住友グループ広報委員会が2003年より特別協賛しております「全国盲学校弁論大会 全国大会」は、10月6日(金)、秋田県立視覚支援学校にて開催され、全国から弁士の皆さんが集いました。
この全国盲学校弁論大会は昭和3年(1928年)に創設以来、伝統を守り続け、今回で91回目を迎えました。本全国大会では、約130名が見守る中、全国7地区から選ばれた13歳から23歳までの9人の弁士の方々が、自らの障がいと向きあう様子や、将来の夢、生きがい、感謝などを自らの言葉で熱く語りました。
今年の大会で優勝の栄冠に輝いたのは、「無意識の壁」と題した弁論を行った大阪府立大阪南視覚支援学校 高等部普通科2年の酒井響希さんでした。酒井さんは中学3年生の夏、東京パラリンピック閉会式の舞台にドラマーとして出演しました。この閉会式は多種多様な障がいを持つ人々が集う舞台でもあったのですが、酒井さんは当初、自分と異なる障がいを持つ人との接し方に戸惑いを感じました。
しかし、周りのチームメートがどんな障がいがあっても分け隔てなく相手に接し、会話をしていたので、酒井さんは「自分と異なる障がいを持つ人々に対し、無意識に心の中に壁を作ってしまっていた」自分自身に気づきました。そして、「そもそも誰かとの間には、壁なんてないんだ」という意識を皆が持つだけで、今の世の中はまったく別の世界に変わることが出来るんだと考えるようになりました。
最後は、「皆さんも誰かとの間に作られた無意識の壁について一緒に考えてみませんか。」という、会場の聴衆への問いかけで締め括りました。
なお、今回、特別審査員として参加された作家の内館牧子先生は、熱弁を振るわれた弁士のひとりひとりに称賛を送られ、その優しく語りかけるような特別講評は、会場を暖かな雰囲気に包みこみました。
住友グループ広報委員会による特別協賛は今年で20回目になります。住友グループ広報委員会では、「大切なこと 人から人へ」というグループメッセージを掲げて活動しています。
私たちは、言葉を通して「生きる力」を社会に発信しているこの大会を支援できることは、大変意義深いことであると考え、今後も本大会の発展に少しでも貢献できればと思います。