住友館は、万博会場の東ゲートから入った正面に建築されました。住友グループが保有する「住友の森」の木々を資材として、「1本1本のいのちを大切にしたい」という想いから、余すところなく活用。過去から継承された森の木々によって住友館パビリオンを形づくり、植林体験を通して未来へつながる、という過去、現在、未来をつなぐ「時を超えて、めぐる」空間として設計されました。
建築デザインで特徴的なのは、直線の連続を用いて曲面を描く屋根の形。住友の発展の礎である四国の“別⼦の嶺”から着想を得て、⼭々が連続するシルエットを表現したものです。住友グループ各社の事業の多くは、約300年操業を続けた 別子銅山から生まれました。銅山開発の荒廃から緑を取り戻そうと100年をかけて植林を進めた別子の山は、住友グループにとって特別な存在。別子の嶺を表現した住友館は、自分たちだけでなく環境や公共の利益を考える事業精神「自利利他公私一如(じりりたこうしいちにょ)」の象徴でもあります。