「基礎科学研究助成」に2億円、「環境研究助成」に1億円の助成を決定

住友財団(会長 野依 良治、理事長 住友吉左衞門)は、この度2025年度の「基礎科学研究助成」として総額2億円、「環境研究助成」として総額1億円の助成を決定いたしました。
尚、基礎科学研究助成については、真に我が国の基礎科学研究の発展に資することを目指し、助成総額を5千万円増額した他、年齢制限(45歳以下)の設定など、募集方法の見直しを行いました。また、今般ノーベル化学賞を受賞された北川進先生は、1997年度の基礎科学研究助成の助成対象者です。当時選考委員を務めていた野依会長からも、「北川先生の研究に対し財団として支援ができたことは誇らしいこと」とのコメントがありました。

1.基礎科学研究助成

若手研究者による基礎科学(数学、物理学、化学、生物学及びこれらの複合分野並びに工学の基礎分野)研究に対する助成です。今年度より、総額を1億5千万円から5千万円増額し2億円とした他、真に我が国の基礎科学研究の発展に資することを目指し、以下の変更を行っております。

① 若手対象であることを明確にするため、年齢制限(45歳以下)を設けました。
② 充分な助成金を提供するため、申請金額に対する減額査定を行わないこととしました。
③ 基礎科学全般へのバランスのとれた支援とするため、数学を除く3分野の助成総額を概ね同等としました。

大隅 典子 東北大学教授を委員長とする選考委員会(委員13名)による選考の結果、885件の応募の中から、

大阪大学 大学院工学研究科
中谷 勇希 助教らによる
『高効率な非酸化的メタンカップリング触媒システムの構築によるメタン直接変換』 (助成金額:500万円)

東京大学 物性研究所
田中 未羽子 助教による
『原子層物質を用いた超伝導の量子幾何効果の解明』 (助成金額:500万円)

など56件に対し、総額2億円の助成を行うこととしました。

2.環境研究助成

環境問題の解決・改善に資する様々な研究に対し助成を行うもので、沖大幹東京大学教授を委員長とする選考委員会(委員8名)で選考の結果、

(1)

課題研究(募集課題『地球のネイチャーポジティブを実現するための学際的研究または国際的研究』)」については、46件の応募の中から、

東京大学 大学院 新領域創成科学研究科
石原 広恵 准教授らによる
『海の収奪を超えて:関係性価値が導く包摂的ガバナンスの可能性』(助成金額:1,000万円)

など3件に対し、総額3,000万円の助成を行うこととしました。

(2)

一般研究」については、404件の応募の中から、

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系
神山 翼 講師らによる
『地球温暖化による「熱帯拡大」問題に挑む:熱力学的統一理論の構築と社会影響評価』 (助成金額:320万円)

京都大学 大学院人間・環境学研究科
続木 梨愛 博士課程2年生による
『ラオスにおけるモンの人々と自然環境とのつながりの変容ー養蜂を事例に』(助成金額:200万円)

など31件の研究に対し、総額7,000万円の助成を行うこととしました。

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