メッセージ「住友最前線」

様々な領域の最前線でプロジェクトを率いる住友グループ各社社員の、
未来にかける熱い想いを紹介します。

日本板硝子
環境に優しい真空ガラスで
明るい未来を目指して

──── 日本板硝子 建築ガラス事業部門
機能硝子部 スペーシア技術開発グループ
小木曾 由美さん
アジア事業部 日本統括部
営業企画グループ 担当課長
朝香 寛さん

既存住宅にも対応可能。健康的な暮らしにつなげる

マイクロスペーサーを配置する間隔を20mmから28mmにした『スーパースペーシア®』(右)。平成29年度の省エネ大賞にも輝いた。

日本板硝子がガラス業界で世界初の量産に成功した真空ガラス「スペーシア®」シリーズに、昨年10月、「スーパースペーシア®」が登場した。

「スペーシア®」は、二層にしたガラスの間が真空になっている。真空層が熱の伝導と対流を防ぎ、1枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を持つ。「スーパースペーシア®」は、さらに断熱性が約54%向上。ポイントは真空を保つためにガラス間に配置された、マイクロスペーサーという支柱だ。

「非常に小さい金属柱ですが、室外から室内に熱を伝え、逆に熱を逃がしてしまうという弱点を持ちます。この配置を20mm間隔から28mm間隔にすることで個数を半減でき、その分、伝わる熱も半減できました」と、小木曾由美さんが説明してくれる。

「住宅メーカーなどが、年間エネルギー収支を実質ゼロとする"ゼロエネルギー住宅(ZEH)"の開発に力を注ぐ中、より断熱性能の高いガラスが求められています。その声に応えるべく、『スペーシア®』の改良に取り組んできました」と、朝香寛さんが、開発経緯を語ってくれた。

「スーパースペーシア®」は厚さ約10mm。既存の窓枠にも使用可能だ。冬の間、日本では、人が長時間いる部屋だけ暖める場合が多いが、居室と廊下や浴室などの温度差が大きく、血圧の急高下により体に異変をきたすことがある。「断熱性の高い家は、健康的な暮らしにもつながります」と、朝香さんが太鼓判を押す。

5月には、さらに改良した8mmの薄型を発表。ガラス越しに明るい未来を見せてくれる。

SUMITOMO QUARTERLY NO.153より転載

メッセージ「住友最前線」ナンバー

PageTop