住友が取り組む社会課題 ~未来への羅針盤~

三井住友海上火災保険×地球環境との共生、強靭性・回復力

産業界をリードする気候変動・生物多様性の先駆的取り組みと
防災・減災を支えるビジネスで社会課題解決に貢献

 地球環境との共生
人と企業が地球環境との共生を図っていく上で、対応すべき課題は多岐にわたる。例えば温室効果ガス(GHG)削減で脱炭素社会につなげる気候変動対策、また人々の生活や事業活動は自然の恵みを利用して可能になっているという観点からの自然資本・生物多様性保全、そして海洋プラスチック問題に象徴される環境負荷低減など、まさに多種多様だ。さらには、近年激甚化が顕著な自然災害にいかに対応し、安心・安全な暮らしを実現していくかという視点も注目される。三井住友海上は、損害保険業界に限らず国内外の企業をリードする多彩な気候変動・生物多様性保全活動と、顧客の生活や事業をサポートする保険商品・サービスの提供で、地球環境との共生に貢献している。
 強靭性・回復力
極端化している台風や豪雨、地震や噴火といった自然現象が、世界的に大規模な災害をもたらし続けている。この状況で、災害に対して強靭かつ柔軟な仕組みをつくり、万が一被害を受けた際にも迅速に復旧することが求められている。SDGsでも、人々が安心・安全に暮らせる持続的なまちづくりや強靭なインフラ整備がうたわれ、いま取り組みが急務となっている。災害への対応という点では、防災・減災につながる対策や商品・サービスの提供も、企業にとって重要な使命だ。三井住友海上は、防災・減災に向けて自治体やインフラ事業者をサポートするサービス、あるいは被災した生活者を支援するサービスを提供し、強靭で回復力のある社会の実現に寄与する。

気候変動により自然災害の激甚化・頻発化が進んでいる。数十年に一度といわれる大規模な風水災が2018、2019年と立て続けに発生し、業界全体での保険金支払額は2年連続で1兆円以上に達した。災害への対応は損害保険業界にとって極めて重要なテーマであり、三井住友海上は「地球」と「人」の双方の観点から多彩な活動を繰り広げている。

同社では2021年、気候変動への対応を、全社を挙げて取り組むべき重要課題と位置付け、経営企画部内に対策チームを立ち上げた。さらには取り組みを推進する過程で、気候変動は様々な「地球の不調」の一部であり、根本にあるのは自然資本への過度な依存だと定義。その自然資本を支える生物多様性にも取り組みを広げるべきだとの社内合意が醸成されたことで、2022年1月からは生物多様性の視点も加えた具体的な検討を始めている。

実は同社の自然資本に関わるサステナビリティの取り組みは、早い時期から始まっている。2005年にインドネシア政府と共同で熱帯林再生プロジェクトを開始し、植林や地域経済活性化、住民への環境教育を行ってきた。この取り組みは現在も継続している。

ガジャマダ大学の教育環境
ガジャマダ大学の教育環境
2005年にインドネシア政府と共同で熱帯林再生プロジェクトを開始
2005年10月の様子(左)、2022年3月の様子(右)

また、2007年から「企業が語るいきものがたり」というシンポジウムを毎年開催。これが契機となり、生物多様性保全と生物資源の持続的利用を共同研究する場として翌2008年に発足した「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」では、発足時から現在に至るまで、同社および同社の持株会社であるMS&ADインシュアランスグループホールディングスが会長会社の立場で活動をリードしている。JBIB内の企業緑地での生物多様性保全について研究するワーキンググループからは、事業所の生物多様性への対応を評価する認証制度(ABINC認証)も誕生した。また、東京・駿河台本社の敷地内は緑化率4割を超え、在来種の樹木や鳥などの生物多様性に配慮した緑地にしている。

駿河台本社の敷地内は緑化率4割超
三井住友海上 駿河台ビル(左)、駿河台ビル2階屋上庭園(右)

そのほか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の生物多様性版として2021年に発足したTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)には、日本からただ一人のメンバーとして同社のグループ社員が選ばれた。TNFD推進を担う国内協議会の事務局もMS&ADインシュアランスグループホールディングスが務めている。

このように多様な側面から気候変動・生物多様性保全活動を展開している同社だが、これらは社会貢献としてだけでなく、損害保険会社のビジネスとしても取り組みを進めている。災害が発生したら保険金を支払うというこれまでのビジネスモデルを超えて、災害による社会的損失を抑制するための新規ビジネスやサービスを提供している。

地球環境との共生、すなわち地球と人との直接的な関わりという観点では、防災・減災が欠かせない課題であり、同社は防災・減災をサポートする保険商品・サービスの数々を発売している。例えば、グループ会社のMS&ADインターリスク総研と共同開発した「防災ダッシュボード」は気象・災害データ×AIによる自治体向けの防災・減災支援サービスである。災害リスクにつながるリアルタイム気象データ、30時間以上先の洪水予測、発災後のAIによる被害推定をダッシュボード上にわかりやすく一元的に可視化することで、地域社会における防災・減災対策を支援する。また、風水害などに伴い道路の確認が必要になるが、自治体や道路修繕業者の人材不足で点検が行き届かなくなる可能性もある。同社がアーバンエックステクノロジーズとの協業で提供する「ドラレコ・ロードマネージャー」は、小売・物流事業者等の車両に搭載されたドライブレコーダーのデータを活用して路面情報を収集・可視化するもので、道路点検を支援し、損傷箇所の早期修繕で災害を未然に防ぐ。

サービス全体像イメージ
防災ダッシュボード
画面イメージ
ドラレコ・ロードマネージャー

一方、不幸にも災害に遭遇したとき、被災者は生活再建支援金や税の減免等の行政支援制度を利用するために、自治体の調査を受けて罹災証明書を取得するケースがあるが、災害の頻発化・甚大化等により、自治体の業務が逼迫し発行までに時間を要する等が社会課題となっている。同社はここに着目し、水災時の損害調査情報を同社から自治体に提供して、罹災証明書の迅速な発行手続きを支援するサービス「被災者生活再建支援サポート」の提供を業界で初めて開始した。

概要図

同社では今後も、気候変動・生物多様性保全に関わる活動で企業をリードするとともに、ビジネスの観点でも防災・減災につながる取り組みに力を入れていく考えだ。

三井住友海上
https://www.ms-ins.com/
三井住友海上は「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えること」を経営理念として掲げ、「持続的成長と、企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループの創造」に向けて、取り組みを展開していきます。

各社が取り組む社会課題

脱炭素 パネルイメージ

脱炭素

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指す、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを紹介します。

サプライチェーン パネルイメージ

サプライチェーン

サプライチェーンのグローバル化や複雑化に伴い、企業にはサプライチェーン上で発生する課題への適切な対応が求められています。

新しい働き方 パネルイメージ

新しい働き方

新型コロナウイルスの感染拡大により多くの企業が従来型の働き方を見直したことで、働き方改革が加速しています。

健康 パネルイメージ

健康

新型コロナウイルスの感染拡大により、企業にとって従業員の健康への配慮はよりいっそう重要なテーマとなっています。

気候変動 パネルイメージ

気候変動

地球温暖化の進行はビジネス上の深刻なリスクを引き起こす可能性があります。そのため、企業には中長期的視点での戦略策定と具体的な対策が求められています。

モビリティの電動化 パネルイメージ

モビリティの電動化

環境負荷軽減への対応や社会的ニーズの高まりとともに、モビリティの原動力がガソリンから電気へと置き換わりつつあります。

コミュニティ パネルイメージ

コミュニティ

人と人のつながりであるコミュニティを再生・再構築することで社会課題解決に向き合う動きが活発になっています。

貧困 パネルイメージ

貧困

子どもの貧困問題への対応が喫緊の課題になるなど、現代の日本においても貧困は深刻な社会課題の一つとなっています。

次世代の育成 パネルイメージ

次世代の育成

日本では少子高齢化の進展に伴う労働力人口の減少により、次世代を担う人材の育成が急務となっています。

先端医療 パネルイメージ

先端医療

近年における医療の飛躍的な進歩には、大学等の研究機関はもとより、企業による最先端技術への取り組みが大きく寄与しています。

地産地消 パネルイメージ

地産地消

再生可能エネルギーを生かし、地産地消を通じて脱炭素に貢献しながら産業振興も目指す取り組みが各地でスタートしています。

食品ロス パネルイメージ

食品ロス

世界では食料生産量の3分の1に当たる約13億トンが毎年廃棄されているとされ、食品ロスの解決は一刻を争う課題になっています。

地球環境との共生 パネルイメージ

地球環境との共生

人と企業が地球環境との共生を図っていく上で、対応すべきさまざまな課題について、各社の取り組みを紹介します。

強靭性・回復力 パネルイメージ

強靭性・回復力

自然災害だけでなく、さまざまなハザードがあり、その姿は時代とともに変化し、激甚化もしています。それに負けない強靭性や回復力を持つしなやかさが求められています。

地方創生 パネルイメージ

地方創生

地域の資源を生かして産業を強化することで、地方の人口減少を克服し、持続的な社会を創生する取り組みを紹介します。

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