住友林業すみともりんぎょう

森がぼくたちを
守ってくれているんだよ

森は二酸化炭素(にさんかたんそ)(CO2)を吸収(きゅうしゅう)して酸素(さんそ)(O)をつくってくれる

地球温暖(おんだん)化の問題は知ってるよね。地球の温度が上昇(じょうしょう)したため北極や南極の氷がとけているんだ。シロクマが住むところをうしなっているという話も聞いたことがあるよ。集中豪雨(ごうう)や暖冬(だんとう)・冷夏など異常(いじょう)気象の原因(げんいん)にもなっているんだ。
地球温暖化の原因のひとつとして、発電所や工場や自動車、それからみんなの家庭から出てくる二酸化炭素(にさんかたんそ)(CO2)があるよね。実は、このCO2、森が吸(す)ってくれるんだよ。
理科の授業(じゅぎょう)で「光合成」という言葉を聞いたことがあるだろ。植物が成長するときにCO2を吸って、酸素(さんそ)をつくるというお話だよ。森の木は、太陽の光を浴びて、水とCO2を取り入れ、そして酸素と糖(とう)をつくるんだ。森がたくさんCO2を吸ってくれたら、地球も喜ぶよね。
でも、森にも限界(げんかい)があるからね。だから、ぼくたちがCO2を出さない努力も必要なんだよ。

光合成のイメージ

森が豊(ゆた)かになると海も豊かになる

森の元気がなくなるとどうなると思う? 木は土の中に大きな根をはっているんだ。森の元気がなくなり、根が弱ってしまうと、土をしっかり捕(つか)まえておく力が弱まるよね。そんな山に雨が降(ふ)るとどうなる? 雨によって湿(しめ)った土の重さに耐(た)えられなくなり、土砂崩(どしゃくず)れの原因(げんいん)にもなるんだ。山肌(やまはだ)を削(けず)っていく雨水は川に流れていくだろ。すると川には泥(どろ)のまじったにごった水が流れ出していく。その水が大量に海に流れていくとどうなると思う? そんな水で魚や海草が育つわけがないよね。
逆(ぎゃく)に、元気な森には、しっかりと根が張(は)り、たくさんの枯葉(かれは)が落ちるだろ。そこには栄養分の染(し)みこんだ土ができる。そしてミミズや昆虫(こんちゅう)が生活する。雨も土のなかにゆっくりと染みこんでいく。栄養分をたっぷりと含(ふく)んだ水が川に流れて海に行くだろ。その水は魚や海草に豊(ゆた)かな栄養を与(あた)えるんだ。
つまり、森が豊かになれば、海も豊かになる。人間だって同じさ。森がなきゃ人間は生きていけないんじゃないかと思わないかい?

水の循環 海からの蒸発 地上からの蒸発 上空で雲となり雨となって降りそそぐ 湧水は川となって海へ 雨は地中深く浸透 滋養を含んだ湧水となり地上へ

森は手入れが必要なんだよ

森には手入れが必要なんだ。日本の国土面積の約67%が森林といったけど、そのうち約40%くらいが人工の森や林。山に木を植えて、5年もたつと2メートルくらいの木に育つだろ。その頃(ころ)は、根元に生えるまわりの草を取(と)り除(のぞ)いてやらないといけないんだ。植えた木に草が覆(おお)いかぶさってしまって、育ちが悪くなるからね。20年くらいになると、木と木が重なり合ってくる。そうすると太陽の光が地面に当たらなくなるだろ。だから、何本か成長が良く無い木を切って、太陽が当たるようにして、森の中の生態系(せいたいけい)を豊(ゆた)かにしてあげる必要があるんだ。植えた木もたくさん太ることができるようになるしね。それを間伐(かんばつ)というんだ。
30年もたつと、立派(りっぱ)な木に育つんだよ。日本の人工木は戦後に植えられたものが多く、ほとんどが30年から40年育っているんだ。この頃になると、また間伐をしてあげる必要があるんだよ。間伐によって太陽の日差しをたっぷりとあびることができるんだ。そして丈夫(じょうぶ)な木に育つんだね。間伐した木は、家づくりにも使われるんだよ。森づくりをしている住友林業(株)さんは、この間伐が大事なんだって教えてくれたよ。
そして、もっと大きくなったら、いよいよ育った木を伐採(ばっさい)するんだ。伐採した後は、また木を植える。もちろん伐(う)った木は、大切に使う。たとえば、ぼくたちの家になるんだよ。
植えて、育てて、伐って、大切に使って、また植える。こうした作業を繰(く)り返(かえ)し行うことで、環境(かんきょう)も守られるんだね。

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