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住友文化フォーラム2008 詳細はこちら
 
 

2008年11月9日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールにおいて、住友グループ広報委員会主催の「住友文化フォーラム2008 ~次世代へ。これだけは伝えたい。~」が開催された。

はじめに主催者代表として、住友グループ広報委員会・鈴木久和事務局長が、住友文化フォーラム開催の経緯について語った。同フォーラムは1979年に「1980年代をどう生きるか」をテーマにスタート、毎回各界の有識者をパネリストに迎えて時代の生き方を模索してきたが、1985年の第11回を最後に中断。しかし21世紀に入り、日本が再び大きな変動期を迎えていることから2006年に再開したことなどを説明した。

再開後3回目となった今回のテーマを”次世代へのメッセージ”とした。現代を、グローバル化した社会の中で、私たちの住む社会や環境は、前例がないほど日々急速に変化していると捉えた上で、次世代を担う子供たちに対して、私たちは世代を超え、未来に一体何を伝えるべきなのかを、基調講演とパネルディスカッションにより約3時間にわたって討議した。基調講演には、作家の立松和平氏。パネリストは、異文化コミュニケーターマリ・クリスティーヌ氏と評論家宮崎哲弥氏に、立松氏を加えた3名。コーディネーターには、キャスター・エッセイストの福島敦子氏が登場した。

立松氏による前半部の基調講演では、立松氏の観察・ご自身で行われている様々なボランティア経験より、本当に残したいものは「身の回りの小さな自然」と指摘。護岸工事により、川遊びをする子供が減ってしまったことで、自然に対する知識・危険察知の能力などが失われてしまった事例や、また永平寺の前の禅師であられた宮崎奕保禅師さんの日録の片隅に、五感の片隅に触れた自然現象がかかれており、後日読み返すと常に変わらない時期に変わらないことが起きる、という事例を挙げられた。

また、ご自身が主宰されているボランティア活動である、足尾銅山における植林活動「古事の森」を挙げ、100年以上前から植林活動が行われていた別子銅山と比較しながら、自然を次世代に残すことの大切さを観客に語りかけた。

基調講演を受けた第2部のパネルディスカッションでは、各パネリストらが自らの経験をもとに活発な意見交換を行なった。異文化コミュニケーターのマリ・クリスティーヌ氏は、ご自身の豊富な海外での生活経験を通して、「特にアジアの国では、その国に伝わる伝統文化を自然に大切にしている」と評し、「周りには、自身が思っている以上に、自分のことを必要としている人がいるはず。積極的にコミュニケーションをとることで、送り手と受け手につながりができ、その結果として、これからもっと味わってみたいという気持ちをもってくれるような社会を子どもたちに残していきたい。」と語った。

評論家の宮崎哲弥さんは、「晩婚化、非婚化により、少子化が急速に進んでいるため、子どもをまとまったひとかたまりの次世代として認識するのが難しくなってきている。」と、次世代の希薄さが世代間伝達を困難にしている現状に触れ、自身ができることは、「自らの最低限恥じない生き方というのを見せていく以外にない。」とまとめた。また、現代を生きる私達に対し、「安定を求めすぎることが日本人を過剰に萎縮させているような感じがしてなりません。人生は常に危機に面しているものであるということを、私は忘れたくないと思っております。」と語りかけた。

基調講演から引き続きパネルディスカッションに登場した立松和平氏は、車内でお化粧をする女性の話から、ご自身の自然保護活動、南極取材での経験まで、幅広い話題を展開し、「自分に出来ることはわずかだが、小説家として、自分の思ったことを伝えていくことが仕事だと思っている。本だけでなく、機会があるごとに若い人に、また幅広い世代に話すことを心がけている」と語った。また、ご自身の生き方の抱負として、現在手がけられている良寛の話を引き合いに出し、「自分の人生すべてを世の中に布施してしまった良寛の生き方が痛烈に身に迫る。同じような生き方はとても出来ないが、こういう生き方もあったのだ、ということを胸に抱いて生きて行きたい」と語り、フォーラムを締めくくった。

作家
立松 和平
異文化コミュニケーター
マリ・クリスティーヌ
評論家
宮崎 哲弥
キャスター・エッセイスト
福島 敦子
住友グループ広報委員会
鈴木 久和 事務局長
 


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