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住友文化フォーラム2007 詳細はこちら
 
 
2007年9月24日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールにおいて、住友グループ広報委員会主催の「住友文化フォーラム2007 ~もっと家族について話そうよ~」が開催された。

はじめに主催者を代表して住友グループ広報委員会・井場満事務局長が挨拶。住友文化フォーラム開催の経緯について、同フォーラムが1979年に「1980年代をどう生きるか」をテーマにスタートし、毎回各界の有識者をパネリストに迎えて時代の生き方を模索してきたこと、1985年の第11回を最後に中断したが、21世紀に入り日本が再び大きな変動期を迎えていることから2006年に再開したことなどを説明した。

2回目となる今回は、本音で語られる機会が少ない「家族」に焦点を当て、家族のあり方について基調講演とパネルディスカッションにより約3時間にわたって討議した。パネリストは、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、エッセイストの逸見晴恵氏、慶応義塾大学教授の金子郁容氏、山形県銀山温泉・旅館藤屋女将の藤ジニー氏の4人。

鳥越氏による前半部の基調講演では、自分を生み育ててくれた家族、自分がつくった家族という2つの血を分けた家族に加えて、集団の中でルールや社会性を身につけた子供時代や大学での仲間という第三の家族があり、いずれも人間の成長にとって重要との持論を展開。また、自らの直腸ガン手術時のエピソードとして、守るべき対象であった妻や娘たちが実は自分を支えてくれていたことを実感した体験を披露、「家族は空気のようなもの、何かあってはじめて大切さがわかる。場所が離れていても心がひとつに結ばれているのが家族」であり、こうした家族のあり方についてパネリストとともに考えたいと聴衆に語りかけた。

基調講演を受けた第二部のパネルディスカッションでは、各パネリストらが自らの経験をもとに活発な意見交換を行なった。

14年前にアナウンサーの夫をガンで亡くした逸見氏は、「夫の闘病生活を通じて家族の絆が深まった。今でも何かにつけ子供達と話し合い、時には夜中まで議論することもある」と、父親の不在を埋める形で残された家族3人の絆が強くなったことを紹介。鳥越氏や金子氏からは「完璧な父親・母親を演じる必要はない。隙があり、互いに手を差し延べようとするからこそ、濃密なコミュニケーションが生まれるのではないか」という指摘があった。

藤氏は女将としての激務をこなしながら周囲の協力を得て何とか子供と一緒にいる時間を作った体験談を披露し、「日本の家族は忙しすぎる。母国のアメリカと比べて家族が一緒にいる時間が短い」と指摘。『一緒に祈る(pray)家族が強い絆で結ばれる』というアメリカの古い諺をもじった『一緒に楽しい時間を過ごす(play)家族が強い絆で結ばれる』という持論を紹介し、「食事中はテレビを消す、親子で入るお風呂の時間を大切にするなど、小さなことから簡単に楽しい時間を作ることができる。もっと家族の時間を増やそう」と語りかけた。

金子氏は、慶応幼稚舎の舎長として800人の児童を預かった経験をもとに、「子供にとって自分を全面的に応援してくれる存在が必要。そうでないと安心して世の中へ出ていけない」と親のサポートの重要性を強調。「地域や学校という家族」が崩壊してしまった現代の日本において、京都市などで地域の住民が学校を中心に地域に主体的に関わることで、共同体の再生を目指す試みが大きな成果を上げている事例を紹介した。逸見氏も地元でのお祭りの思い出に触れ、地域社会の伝統行事の果たす役割に改めて期待したいと語った。

こうした様々な意見交換を踏まえ、鳥越氏が「日本は豊かさを得た代償として、大人も子供も非常に忙しくなり、互いを思いやる気遣いが家庭からも地域社会からもなくなってしまった。今日の話で何か感じることがあれば、まず身の回りで実行してみる。そこから変化が生まれ、少しずつでもコミュニケーションの輪が拡がっていくのではないか」と締め括った。

40~60代を中心に350名近く集まった参加者たちは、各パネリストの人生経験に根ざした率直な発言に熱心に耳を傾けていた。基調講演での鳥越氏のユーモア溢れる語り口に会場が笑い声で包まれるなど和やかな雰囲気の中でフォーラムは進行し、締め括りの「身近なことからまず始めよう」という呼びかけに、会場からは大きな拍手が送られた。

ジャーナリスト 
鳥越 俊太郎
エッセイスト 
逸見 晴恵
慶應義塾大学教授 
金子 郁容
銀山温泉・旅館藤屋女将
藤 ジニー
住友グループ広報委員会
井場 満 事務局長
 


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